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3月13日の日本の昔話
裸のお寺参り
青森県の民話 → 青森県情報
むかしむかし、ある山のふもとにお寺があったのですが、そのお寺へお参りに来る村の人たちは、不作法にもぞうりのままで本堂へ入ってくるのです。
「全く、ここの村人ときたら、作法と言うものを知らんのか」
そこで和尚さんは本堂ののぼり口に、こんな張り紙をしました。
《履(は)きものをぬいでください》
でもこの村には、字を読める人が一人もいません。
「張り紙があるが、一体なんて書いてあるんだろう?」
寺にやって来た村人たちが悩んでいると、ちょうどそこへ字の読める男が通りかかりました。
「ふーん、なるほどなるほど。世の中に変わったお寺もあるものだ」
男が感心していると、村人たちが尋ねました。
「お前さんは、字が読めるのか? それなら、何て書いてあるか教えてくれ」
「ああ、いいとも」
男はそう言いましたが、でも男が読めるのはひらがなだけで、漢字は全く読めませんでした。
そこで男は、漢字を飛ばして読みました。
「ここには、『きものをぬいでください』と書いてある」
「へえ、本堂にのぼる時は、着物をぬぐのか」
さて、それからしばらくして本堂にやって来た和尚さんは、中を見てびっくり。
「何じゃこれは?」
何と村人たちが一人残らず裸になって、並んで座っていたのでした。
おしまい
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