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    福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 8月の江戸小話 > 化け物退治 
      8月17日の小話 
        
      化け物退治 
        むかしむかし、ある町はずれに、化け物の出る屋敷がありました。 
  「よし、おれがいって、化け物を退治してやろう」 
   一人の若者がいいました。 
  「出てきたら、酒のさかなにして食ってしまおう」 
   そんなことをいって、お酒をたくさん用意し、1人で化け物屋敷に出かけました。 
   さて、屋敷に入って待っていましたが、化け物はなかなか出てきません。 
   若者はすっかりたいくつして、酒をどんどん飲みはじめました。 
   そして、すっかりよっぱらって、ぐっすりと寝込んでしまいました。 
   若者が気がつくと、もう朝でした。 
  「しまった。でも、化け物のやつ、ゆうべは出てこなかったぞ」 
   若者は屋敷の門を出ました。 
   そして、屋敷に向かって大声でさけびました。 
  「やい、化け物。夕べはおれがこわくて出なかったんだな。だったら、もう二度と出てくるんじゃないぞ」 
   すると、屋敷の中から、化け物の声がしました。 
  「何をいってやがる、おれがおこしても、ぜんぜんおきなかったくせに」 
  「うひゃー、化け物だー」 
   おどろいた若者は、大あわてで逃げていきました。 
      おしまい 
                 
         
        
        
       
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