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5月13日の小話
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どろぼうのどろぼう
ここは、どろぼうたちのかくれがです。
あるとき、どろぼうたちが仕事をすませて、かくれがにひきあげてきました。
「やあ、うまくいったぞ」
「おれも、すっかり、うでがあがったわい」
めいめいが、じまんばなしなどしていますと、おやぶんがいいました。
「これから、わけまえをきめる。ぬすんできたものをここに出せ」
「へい!」
どろぼうたちは、ぬすんできた品ものを、のこらず、おやぶんの前に出しました。
ところが、おやぶんが、ちょっと目をはなしたすきに、さっきまでたしかにあった、りっぱなさいふがみえません。
だれかが、すばやく、取ったのです。
おやぶんはおこりました。
「さては、この中に、どろぼうがいるな! どろぼうのものを、どろぼうするとは、とんでもないやつだ! だれが取ったか、正直にいえ!」
どろぼうたちは、顔を見合わせると、
「あっしじゃ、ありません」
「おれも、ちがいます」
「わたしじゃ、ないです」
みんなが、ちがうといいます。
おやぶんは、ますますおこって、
「だれが取ったか、正直にいうんだ。うそをつくのは、どろぼうのはじまりだぞ!」
おしまい
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