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      5月17日の小話 
        
      おなら 
        風のつよい、あるばんのこと。 
 どろぼうが、えんの下にもぐりこんで、みんながねしずまるのを待っておりました。 
 だんだん、風が強くなってきますと、表の戸に風があたって、「ぶううー、ぶううー」と鳴りました。 
「いまの音は、おまえのおならか?」 
 ご亭主がききつけて、おくさんにきくと、おくさんはおこって、 
「まあいやだ、わたしがいつ、おならをしました」 
「はて。いま、たしかにきこえたが。それなら、どろぼうが、どこかにかくれていて、へをこいたのだろう」 
 それをきいたどろぼうが、あわてて縁の下から出てきて。 
「とんでもねえ、おらじゃ、ねえぞ」 
      おしまい 
                  
         
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