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      5月18日の小話 
        
      ごみ 
        運の悪いどろぼうもいるものです。 
 こんなやつは、たいてい、おっちょこちょいなやつで、まだ日がくれたばかりだというのに、もうどろぼうに入りました。 
 あんのじょう、たちまち、家の主人に見つかり、あわてて逃げ出しました。 
 ところが、家の者も、逃がすものかと、おいかけてきます。 
 とうとう、川においつめられたどろぼうは、しかたなく、川の中へ、ドボンと飛び込み、橋のくいにしがみついてかくれていますと、おいかけてきた家の主人が、 
「橋のくいにひっかかっているのは、ごみか? ひとか?」 
と、いうと、どろぼうは、 
「ごみじゃ、ごみじゃ」 
と、返事をしたので、たちまちつかまってしまいました。 
      おしまい 
                  
         
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