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 ハエとミツバチ
 アルゼンチンの昔話 → アルゼンチンの国情報
  むかしむかし、二人の姉妹(しまい)がいました。妹の名まえはブンブンブンで、姉の名まえはウウウウウです。
 妹のブンブンブンは、それはそれははたらき者で、食べ物がないさむい冬のために、せっせと食べ物を集めてまわりました。
 しかし姉さんのウウウウウは、先のことは何も考えずに、毎日遊んでばかりです。
 ある日、ブンブンブンがいいました。
 「ねえ、お姉さん、そんなになまけてばかりいると、今にきっとこまるわ。だって食べ物がない冬は、とても長いのよ。ミツのある花なんか、どこをさがしてもありはしないわ」
 でもウウウウウは、のんきそうにいいました。
 「まあ、あなたったら若いくせに、そんな先のしんぱいばかりしているなんて、どうかしてるわ。さむくなればなったで、どうにかなるものよ。・・・そうねえ、わたしの妹ははたらき者ですもの。きっと、おいしいミツをごちそうしてくれるわ」
 「まあ、お姉さんたら。わたしだって、遊びたいのをがまんしてはたらいているのよ。せっかく集めたミツを、なまけ者のお姉さんにとられてしまうなんて、とんでもないことだわ」
 やがて妹は、姉さんとわかれてくらすことにしました。
 さて、食べ物のない、さむい冬がやってきました。
 妹は、たくわえてあるミツを食ベて、のんびりとくらしていました。
 ある日、姉さんが妹の家の戸をたたきました。
 「おねがいだから、食ベ物をめぐんでちょうだいな。おなかがすいて、死にそうなの」
 それは、とてもあわれなすがたでした。
 やがてなまけ者の姉さんは、バツとしてハエにかわり、はたらき者の妹は、ミツバチになりました。
 おしまい        
 
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