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アリスインワンダーランド
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第 9話  

不思議の国のアリス
イラスト 「夢宮 愛」  運営サイト 「夢見る小さな部屋」 「ココナラ

水キセルの毛虫

♪ろうどく さいせい
朗読 薮崎あずみ  ★☆愛と自由で世界を回せ☆★

 森に逃げ込んだアリスの体は、さっき食べたクッキーのせいで、まだまだ小さくなっていきます。
 そして花ぐらいの大きさになったところで、小さくなるのが止まりました。
「今度は、小さくなり過ぎたわ。
 なかなか、元の大きさには戻れないわね。
 体の大きさを変えるには、また何かを食べるか飲むかしないといけないけど」
 アリスは、あたりの花や草を見まわしました。
 しかし周りには、食べたり飲んだり出来る物が何も見つかりません。
 アリスの目の前に、アリスと同じくらいの大きさキノコが生えています。
「上に登れば、何か見つかるかも」
 アリスはつま先立ちになって、キノコの上をのぞいてみました。
 するとアリスの目が、大きな青い毛虫の目とバッタリ出会いました。
 毛虫はキノコの上で腕組みをしながら、長い水キセルを気持ちよさそうふかしています。
 毛虫とアリスはしばらくだまったまま、にらめっこをしていました。
 それでもとうとう毛虫は口から水キセルを取って、だるそうな声で言いました。
「お前は、だれだ?」
 初めて会った相手に、こんな言い方をされると気やすく話が出来そうもありません。
 アリスは、きまりが悪くなりながらも答えました。
「それが、あたしにもよくわからないんです。
 でも、けさ起きたときは、自分があたしだってことがわかっていたんです。
 それからあと、何度もあたしは、色々なあたしに変わったらしいんです」
「いったい、何の事を言っているんだね? 分かるように説明しなさい」
「それが、簡単に説明出来そうもないんです。
 とにかく、今のあたしはあたしじゃないんです。
 わかるでしょう?」
「わからんね。」
「一日のうちに何度も大きさが変わったんで、頭がこんがらがってしまってるんです。
 あなたもそのうちにさなぎに変わって、いつかはチョウチョウになるんでしょう?
 自分の姿が変わってしまえば、あなたもあたしの気持ちがわかると思うわ」
「いいや、そんな事にはならないよ」
「ならないって、チョウチョウに?
 それとも、気持ちが?
 気持ちなら、あなたとあたしの性格は、まるで違うのかもしれないわね」
「ところで、お前はだれだい?」
 毛虫は、また話を元に戻しました。
 アリスはなんだか腹が立って、毛虫に言いました。
「人が誰かとたずねる前に、まずあなたから先に名のるべきだと思うわ」
「それは、なぜだね?」
「えっ? それは・・・」
 アリスは、ぐっと詰まってしまいました。
 なぜ先に名のらないといけないのか、アリスにもわかりません。
「もういいわ。じゃあ、さようなら」
 アリスは馬鹿馬鹿しくなって、さっさと行きかけました。
 すると毛虫が、後ろから呼び止めました。
「これ、かんしゃくを起こすんじゃないよ。かんしゃくを起こすと、大事なことを聞きそびれるよ」
「かんしゃく?!」
 確かにアリスはかんしゃくを起こしていたので、ここはぐっとがまんしてたずねました。
「いいわ。最後までつきあってあげるから、大事なことを教えて」
 すると毛虫はしばらくの間、何も言わずに水キセルをプカリプカリとふかしていました。
 そしてやっと水キセルから口をはなすと、アリスに言いました。
「お前は何度も大きさが変わったと言っていたが、どのくらいの大きさが本当の大きさだね?」
「それが、本当の大きさが思い出せないんです。
 なにしろ、何度も何度も大きさが変わったから」
「では、どれくらいの大きさになりたいのだね?」
「べつに、どれくらいの大きさって事はないけど。
 でも出来たら、もうちょっと大きくなりたいわ。
 7センチのおチビちゃんじゃ、いくらなんだってひどすぎるわ」
「どうして? 7センチは、実にけっこうな大きさじゃないか」
 毛虫は怒った声で言って、まっすぐに立って見せました。
 毛虫の大きさはちょうど7センチで、自分が7センチであることに誇りを持っていたのです。
 アリスは、少しあわれっぽい声で言いました。
「そんな事を言ったって、あたし、こんな高さにはまだなれてないのよ」
 でも心の中では、
(ここの人たち、みんなすぐに怒り出すのね)
と、思いました。
「まあ、そのうちになれてくると思うが、大きさを変えたいのなら、大事なことを教えてやろう」
 毛虫はそう言って、また水キセルを口にくわえると、プカリプカリとふかしはじめました。
 アリスは毛虫の方から口を開くまで、しんぼう強く待ちました。
 やがて毛虫は水キセルから口をはなすと、二種類のキノコを指さして言いました。
「一方は、お前を大きくしてくれる。もう一方は、お前を小さくしてくれる」
「あのキノコを食べれば、体の大きさが変わるの? 大きくなるのは、どっちのキノコ?」
「さあね」
 毛虫はそういうと、どこかへ行ってしまいました。

おわり

続きは第10話、「ヘビになったアリス?」

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