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5月21日の日本の昔話
ウサギの誕生
北海道の民話 → 北海道情報
むかしむかしの大むかし、月には大勢の王子さまが住んでいました。
王子さまはみんな明るく元気で、遊ぶ事が大好きです。
いつも月の世界で、走ったり歌ったり追いかけっこをしたりして過ごしていました。
ある日の事、月に雪が降りました。
キラキラ、ヒラヒラ
キラキラ、ヒラヒラ
輝きながら舞い降りてくる真っ白な雪に、王子さまたちは大喜びです。
「わーい。雪だ、雪だ」
「何をして、遊ぼうか?」
王子さまたちが雪を手の平に乗せたり、そっと口に入れてみたりしているうちに、雪は月一面に真っ白に降りつもりました。
「なんて美しいんだろう。まるで、真珠をしきつめたようだ」
一人の王子さまが、雪を両手で包んでボールのように丸く固めました。
そして雪の玉を、近くにいた王子さまに投げつけたのです。
「わっ、冷たい〜」
「あははは。ぼーっとしているからだよ」
「お返しだ!
」
ぶつけられた王子さまも、雪の玉を作って投げ返します。
それを見ていたほかの王子さまたちも、一緒になって雪合戦をを始めました。
「それっ」
「わあ、冷たい」
「今度はぼくの番だ。えいっ!」
「ははーん。へたくそ」
その時、王子さまの投げた雪玉が一つが、月を飛び出してしまったのです。
月から飛び出した雪は、どんどんどんどん飛んでいって、とうとう地球まで行ってしまいました。
その様子を、神さまが見ていました。
神さまは地球に落ちていった美しい雪が、やがてお日さまに溶けて消えてしまうのはもったいないと思い、地球に落ちた雪に長い耳と目と鼻と口、それに四本の足と小さくてかわいい尻尾をつけて生命を吹き込みました。
神さまに生命をもらった地球の雪は、たちまちぴょんぴょんとはねまわりました。
神さまは、にっこり笑って言いました。
「そなたの名前はウサギ。ウサギにしよう。ウサギよ、地球で幸せに暮らすのじゃよ」
こうして、ウサギが生まれたという事です。
おしまい
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