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10月1日の日本の昔話
かぐや姫(竹取物語)
『輝夜姬』(竹取物語)〈完整版〉
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、『竹とりのおきな』と呼ばれる、竹とりのおじいさんがいました。
頭擺頭擺,有一個安到『斬竹个老貨仔』个斬竹老阿公。
おじいさんの仕事は、山で取って来た竹でカゴやザルを作る事です。
老阿公个事就係摎斬轉來个竹仔去做䉂公、無斯笊撈(飯撈)這兜事。
ある日の事、おじいさんが山へ行くと、一本の竹の根本がぼんやりと光り輝いてました。
有一日,老阿公去山頂个時節,看到一支竹頭會皓光个竹仔。
「おや?何と不思議な竹だろう」
「唉哦?還奇怪个竹仔哪。」
おじいさんは、その光る竹を切ってみました。
老阿公摎會皓光个竹仔斬下來看。
すると竹の中には、大きさが三寸(さんすん→約九センチ)ほどの、ぽーっと光り輝く可愛くて小さな女の子が入っていたのです。
竹仔裡肚有一個大約三寸(大約九公分)、發出濛濛个光、得人惜个細妹嬰兒仔。
「光る女の子とは・・・。きっとこの子は、天からの授かり物に違いない」
「會皓光个細妹嬰兒仔‧‧‧。這嬰兒仔定著係天賜分𠊎个。」
子どものいないおじいさんは、大喜びでその女の子を家に連れて帰りました。
無子女个老阿公非常歡喜,渡等細妹嬰兒仔轉去。
そして、おじいさんが連れて帰った女の子を見て、おばあさんも大喜びです。
老阿婆看著老阿公渡轉來个細妹嬰兒仔乜當歡喜。
「まあ、まあ。なんて可愛い女の子でしょう。おじいさんの言う通り、この子は天からの授かり物に違いありませんわ」
「好,好,仰會恁得人惜,像老阿公講个係天賜分𠊎个。」
おじいさんとおばあさんは、その女の子を自分の子どもとして大切に育てる事にしました。
老阿公摎老阿婆摎細妹嬰兒仔像自家个親生子樣,細心細意來撫養。
女の子が家にやって来た次の日から、不思議な事におじいさんが竹を取りに行くと、竹の中に黄金がぎっしりつまっている事が何度もあったのです。
細妹嬰兒仔來到這屋下第二日起勢,盡奇怪,老阿公去山頂斬竹仔个時節,有幾下擺竹仔裡肚塞淰淰个黃金。
おかげでおじいさんの家は、たちまち大金持ちになりました。
老阿公屋下無幾久就變有錢人。
また不思議な事に、あの小さかった女の子はわずか三ヶ月ほどの間にすくすくと育って、それはそれは美しい娘になったのです。
還阿想毋解个係該個細細个細妹嬰兒仔,斯畜三隻月左右,黏皮斯長大變當靚个細阿姊仔。
大きくなった娘は、見る者を何ともいえないかぐわしい香りで包んで、その心をとてもおだやかにしてくれました。
長大後个細阿姊仔,用講毋出來个香味摎見面个人包圍等,分人心肝肚感覺非常燒暖。
そしてどんなに暗いところにいても夜空の月がはっきりと見えるように、体からあわい光を発していました。
身體會皓光,使著毋管在仰般暗个所在,乜清清楚楚看得到暗晡頭天頂个月光樣。
そこでその娘は、『あわくゆらめく様に光り輝くお姫さま』と言う意味の『かぐや姫』と名付けられたのです。
所以摎該個細妹仔安到盡有『隨風飄逸、金晶𥍉亮。』意思个名仔『輝夜姬』。
その美しく不思議なかぐや姫を、世の男たちがほうってはおきません。
該個靚到耐毋得个『輝夜姬』,世間該兜細倈仔毋肯放過姖。
多くの若者たちがおじいさんの家にやって来ては、かぐや姫をお嫁さんにしたいと言いました。
當多後生人來到老阿公屋下,講愛討『輝夜姬』。
そしてその多くの若者たちの中でも特に熱心だったのが、次の五人の皇子たちです。
眾多个後生人裡肚,特別有誠意係下背五個皇子:
彼らは名前を、
佢兜个名仔係;
石作皇子(いしつくりのみこ)。
石作皇子
車持皇子(くらもちのみこ)。
車持皇子
阿部御主人(あべのみうし)。
阿部御主人
大伴御行(おおとものみゆき)。
大伴御行
石上麻呂(いそのかみのまろ)。
と、言いました。
石上麻呂。
みんな身分がとても高く、そしてお金持ちです。
全部身分盡高,當有錢个人。
「誰も、婿どのとしては申し分ないのだが」
「儕儕乜係當好个細郎。」
選びかねたおじいさんは、かぐや姫に相談をしました。
老阿公盡難選擇,去摎『輝夜姬』參詳。
「五人のお方は、みな、それぞれに立派なお方たちじゃ。お前は、どのお方がいいのかね?」
「五儕人逐個又當派頭,你毋知中意哪個?」
するとかぐや姫は、こう答えました。
『輝夜姬』恁樣應講:
「今からわたくしの言う、世にもめずらしい宝物を探して持って来たお方のところへ、お嫁に行きたいと思います。その宝物とは・・・」
「這下起勢𠊎講个世上珍貴个寶物,尋著儕𠊎斯嫁分佢。該寶物係‧‧‧」
話を聞いたおじいさんは、五人の皇子たちにかぐや姫の言葉を伝えました。
老阿公聽姖恁樣講,煞煞去摎五個皇子傳話。
「かぐやは、こう申しております。
「『輝夜姬』恁樣講︰
石作皇子(いしつくりのみこ)どのには、天竺(てんじく→インド)にある《仏の御石の鉢(ほとけのみいしのはち→おしゃかさまが使ったうつわ)》を。
石作皇子殿下,去天筑(這下个印度)該位,摎《佛祖用个石缽仔》拿來。
車持皇子(くらもちのみこ)どのには、東の海の蓬莱山(ほうらいさん)にある《玉の枝(たまのえだ→根っこが銀、くきが金、実が真珠で出来ている木の枝)》を。
車持皇子殿下,摎東海蓬萊山个《真珠樹桍(樹根係銀个,樹身係金个,打出真珠个樹桍。)》拿來。
阿部御主人(あべのみうし)どのには、もろこし(→中国の事)にある《火ネズミの裘(ひねずみのかわごろも→火ネズミと呼ばれる伝説のネズミの皮で作った燃えない布》を。
阿部御主人殿下,摎唐山該位个《火老鼠皮衫(用火老鼠皮做个防火衫)》拿來。
大伴御行(おおとものみゆき)どのには、《竜の持っている玉》を。
大伴御行殿下,摎《龍珠》拿來。
石上麻呂(いそのかみのまろ)どのには、つばめが生むという《子安貝(こやすがい→タカラ貝と呼ばれるきれいな貝)》を。
石上麻呂殿下,摎燕仔平安降子《子安貝(平安降子个螺殼)》拿來。
それぞれ、お持ちいただきたいと」
各儕去拿來分𠊎。」
それを聞いた五人の皇子たちは、思わず目を見張りました。
聽到該个五個皇子,逐儕目珠都擘到大大。
「何という、難しい注文だ」
「還難个要求哦。」
「どれも、簡単に手に入る品物ではないぞ」
「麼儕乜無恁簡單拿得著个東西。」
しかしそれらの宝物を持って行かないと、かぐや姫をお嫁にする事が出来ません。
毋過,無去拿著該寶物,就討毋著『輝夜姬』。
そこで五人の皇子たちは、それらの宝物を探すために帰って行きました。
所以,五個皇子各各轉去尋自家个寶物。
まずは石作皇子(いしつくりのみこ)が、天竺に行って仏の御石の鉢を手に入れる事は無理だと思い、大和の国(やまとのくに→奈良県)の山寺で手に入れた古い鉢をきれいにかざって、かぐや姫のところへ持って行きました。
首先,石作皇子認為去天筑拿《佛祖用个石缽仔》係非常無合理,就去大和國(這下个奈良縣)个山神廟,尋著一隻舊缽仔舞著靚靓,拿去『輝夜姬』該位。
「天竺へ行って、《仏の御石の鉢》を手に入れました」
「𠊎去到天筑拿著《佛祖用个石缽仔》轉來了。」
石作皇子(いしつくりのみこ)が偽物の鉢を差し出すと、かぐや姫は布でその鉢をみがいて、
石作皇子拿出假个《佛祖用个石缽仔》个時節,『輝夜姬』拿布仔來捽缽仔。
「《仏の御石の鉢》は、みがけばみがくほど光り輝く鉢です。これは、《仏の御石の鉢》ではありません」
と、偽物である事を見破りました。
「《佛祖用个石缽仔》越捽越金,這毋係《佛祖用个石缽仔》」
分姖看出這係假个東西。
車持皇子(くらもちのみこ)も蓬莱山(ほうらいさん)には行かず、たくさんの腕の良い職人を集めて見事な玉の枝を作らせました。
車持皇子乜無去蓬萊山,尋來當多手藝當好个師傅,來做靚靚个《真珠樹桍》。
そしていかにも、蓬莱山から帰って来たと見せかけて、
無論仰般也愛詐意對蓬萊山轉來,斯講:
「苦労しましたが、蓬莱山から《玉の枝》を持ち帰りました」
と、言ったのです。
「雖然當辛苦,毋過𠊎還係對蓬萊山拿著《真珠樹桍》轉來。」
偽物ですが見事な出来ばえに、かぐや姫も言葉をなくして見つめていると、そこへたくさんの男たちが現れました。
雖然係假个東西毋過做到當靚,連『輝夜姬』乜無話講,目盯盯看个時節,有當多細倈仔出現。
彼らは、この玉の枝を作った職人たちです。
佢兜係做《真珠樹桍》个師傅。
「車持の皇子どの。《玉の枝》をお作りしたお金を、早く払ってください」
「車持皇子陛下,做《真珠樹桍》个錢煞煞撿分𠊎。」
「こ、これ!こんなところで何を言う」
「噯!在這種位所講麼个東西?」
玉の枝が偽物だとばれた車持皇子(くらもちのみこ)は、はずかしそうにかぐや姫の家から逃げて行きました。
假《真珠樹桍》个事情分人看出來个車持皇子,感覺當見笑斯逃走,離開『輝夜姬』屋下。
阿部御主人(あべのみうし)も、もろこしには行かずに、もろこしからやって来た商人から高いお金で《火ネズミの裘(かわごろも)》を買いました。
阿部御主人乜無去中國,佢用當高个價數摎中國來个生理人買《火老鼠皮衫》
「もろこし中を探し回って、やっと手に入れる事が出来ました」
「全中國尋透透,正拿著个。」
するとかぐや姫は、一目見て言いました。
過後,『輝夜姬』睞一下講:
「見事なかわごろもですが、本物なら火に入れても燃えないはずですよ」
「還靚个皮衫哪,正个皮衫用火燒乜毋會著。」
「はい。さっそく、火に入れてみましょう」
「係哊,遽遽火拿來點看會著無。」
阿部御主人(あべのみうし)は自信たっぷりに火の中へ《火ネズミの裘》を入れましたが、偽物の裘は簡単に燃えてしまいました。
阿部御主人自信滿滿摎《火老鼠皮衫》擲落火竇肚,毋過因為係假个東西,一下仔就燒淨淨。
「もろこしの商人は、よくもわしをだましたな!」
「中國來个生理人常透騙𠊎!」
阿部御主人(あべのみうし)は、怒りながら帰って行きました。
阿部御主人閼捽捽仔行轉去。
四番目の大伴御行(おおとものみゆき)は、《竜の持っている玉》を手に入れようと竜を探して航海に出ました。
第四個大伴御行,為著得著《龍珠》斯出海尋龍。
ところが、ものすごいあらしに出会って、乗っている船が沈みそうになったのです。
毋過,堵著大風浪,坐个船仔嗄沉忒。
皇子は、嵐に向かって祈りました。
皇子面向大風浪祈求。
「竜神さま。どうか、お助けください。わたしがあなたの玉を欲しがるから、あなたが怒って暴れておられるのなら、もう二度と玉が欲しいなどと申しません。どうかこの嵐を、おしずめください」
「龍王爺,請你摎𠊎𢯭手,若係因為𠊎當想愛你个珠仔惹你發閼,毋敢再過尋《龍珠》了,早早喊大風浪平靜下來。」
するとすぐに嵐がやんで、皇子は何とか都へ帰る事が出来ました。
過後,大風浪就平靜下來了,皇子總算做得轉去京城。
でも《竜の持っている玉》を手に入れる事が出来なかったので、それっきりかぐや姫のところへは現れませんでした。
因為拿毋著《龍珠》,該擺以後毋識在『輝夜姬』該位再過出現。
最後の石上麻呂(いそのかみのまろ)は、屋敷ののき先のつばめの巣の中に光り輝く固まりがあるのを見つけると、さっそくやぐらを組ませて、やぐらの上からつるしたカゴに乗ってつばめの巣に手を入れました。
最尾个石上麻呂看著屋簷下燕仔竇肚,有一矻會皓光个東西,煞煞起一隻瞭望台,坐在瞭望台頂吊下來个竹籃仔裡肚,手伸落燕仔竇。
「あったぞ。つばめの《子安貝》があったぞ。これでかぐや姫は、わしの妻だ」
「有了,燕仔平安降子个《子安貝(平安降子个螺殼)》尋著了,有這『輝夜姬』斯係𠊎个餔娘了。」
しかし、あまりのうれしさにカゴをゆらしてしまったので、カゴをつるしたひもがぷつんと切れてしまいました。
可惜,因為昶歡喜,竹籃仔搖昶厲害,吊个索仔嗄斷忒。
高いところから地面に落ちた皇子は、腰の骨を折る大けがです。
在當高个位所跌落地泥下个皇子腰骨斷忒,傷到盡嚴重。
しかも《子安貝》と思っていたのは、ただのつばめのふんだったのです。
另外,認為係《子安貝(平安降子个螺殼)》个東西,毋過斯係燕仔个屎。
石上麻呂(いそのかみのまろ)はがっかりして、そのまま病気になってしまいました。
石上麻呂非常失望,斯恁樣開始發病仔。
こうして五人の皇子たちは、誰一人、かぐや姫をお嫁にする事は出来ませんでした。
所以五個皇子無半儕討得到『輝夜姬』做餔娘。
さて、この話しがついに、帝(みかど→天皇)の耳にも届きました。
這兜事情包尾傳到天皇耳空。
そしてかぐや姫の美しさに心を奪われた帝が、かぐや姫を宮廷に迎えると言ったのです。
分『輝夜姬』个美貌迷著,歸隻心分姖奪走个天皇,講愛摎『輝夜姬』迎取轉去皇宮。
帝と言えば、この日本で一番偉いお方です。
天皇係日本最偉大个人。
おじいさんとおばあさんは大喜びですが、かぐや姫は宮廷に行くのを断りました。
老阿公摎老阿婆當歡喜,毋過『輝夜姬』拒絕去皇宮。
帝の力を持ってすれば無理矢理にでもかぐや姫を宮廷に迎える事は可能でしたが、帝はとても心優しいお方だったので、無理にかぐや姫を迎えようとはせずに、かぐや姫とは和歌を取り交わす関係となりました。
假使用天皇个勢力乜做得強迫『輝夜姬』轉去皇宮,毋過天皇係當慈祥个人,毋想強迫『輝夜姬』轉去皇宮,斯摎『輝夜姬』通信交換和歌(日本詩)。
かぐや姫が帝と和歌を交わす関係になってから三年の月日がたった頃、かぐや姫は月を見ては涙を流すようになりました。
通信交換和歌(日本詩)經過三年个時節,『輝夜姬』看等月光流目汁。
心配したおじいさんとおばあさんが、かぐや姫にたずねました。
當愁勞个老阿公摎老阿婆走去問『輝夜姬』:
「何がそんなに、悲しいのだね」
「麼个事情噭到恁衰過?」
「心配事でもあるなら、わたしたちに話してごらん」
「有麼个愁勞个事情,請摎𠊎兜講。」
しかしかぐや姫は何も言わず、光の玉のような涙をはらはらと流すばかりでした。
無過,無講半句話,目汁沷沷跌。
そんなある夜、かぐや姫はおじいさんとおばあさんに、泣いているわけを話しました。
有一暗晡,『輝夜姬』摎老阿公、老阿婆講噭个原因。
「お父さま、お母さま。実はわたくしは、人間の世界の者ではありません。わたくしは、あそこで光り輝く月の都の者です。今度の十五夜に月の都から迎えが来るので、わたくしは月の都に帰らなければなりません。それが悲しくて、泣いているのです」
「阿爸、阿姆,𠊎事實毋係這隻世界个人,𠊎係該片光華華个月光頂个人,這擺十五暗晡派人來接𠊎轉月光,做毋得毋轉去,𠊎為著這非常傷心噭。」
「なんと! ・・・しかし大丈夫。かぐや姫はわしらの大切な娘じゃ。必ず守ってやるから」
「原來係恁樣!‧‧‧毋過無相干,『輝夜姬』係𠊎恁重要个妹仔,定著愛好好守顧。」
そこでおじいさんとおばあさんは帝にお願いをして、月の都から来る迎えを追い返す事にしたのです。
所以,老阿公、老阿婆去求天皇,摎月光派來接『輝夜姬』个人逐轉去。
十五夜の夜、帝はかぐや姫を守るために、二千人の軍勢を送りました。
十五暗晡天皇為著守顧『輝夜姬』派出二千個兵仔。
二千人の軍勢は地上に千人、かぐや姫の屋敷の屋根に千人が並び、弓や槍をかまえて月の都から来る迎えを待ちました。
二千個兵仔企在地泥下一千儕,『輝夜姬』屋下个屋頂一千儕,拿等弓箭無斯銃仔,䀯等月光派來接『輝夜姬』个人。
やがて月が明るさを増し、空がま昼の様に明るくなりました。
無幾久,月光緊來緊光,天頂像日時頭樣恁光。
すると雲に乗った月の都の迎えたちが、ゆっくりとゆっくりとかぐや姫の屋敷へとやってきたのです。
來接『輝夜姬』轉月光个人坐等雲慢慢仔來到姖屋下。
「姫を守れ!あの者たちを追い返すのだ!」
「守顧『輝夜姬』!摎月光派來接『輝夜姬』个該兜人逐轉去!」
二千人の軍勢たちは弓や槍で月の都の迎えを追い返そうとしましたが、どうした事か軍勢の体が石の様に動かなくなってしまったのです。
「二千個兵仔拿等弓箭無斯銃仔想愛摎月光派來接『輝夜姬』个該兜人逐轉去,毋過毋知仰會身體硬到像石牯樣停動毋得。」
中には力をふり絞って弓矢を放った者もいましたが、弓矢は月の都の迎えに近づくと大きくそれてしまいます。
裡肚有人盡命牯出大力射箭,毋過箭射到接近月光派來接『輝夜姬』个該兜人个時節斯偏走了。
月の都の迎えは屋敷の上空でとまると、おじいさんにこう言いました。
月光派來接『輝夜姬』个該兜人停留在屋頂背時節斯摎老阿公講:
「竹取りのおきなよ。姫を迎えに来ました。さあ、姫をお渡しなさい」
「『斬竹个老貨仔』,為著接『輝夜姬』來到這位,請遽摎『輝夜姬』交出來。」
おじいさんとおばあさんは、かぐや姫の手を力一杯にぎりしめましたが、でもその手から力がすーっと抜けてしまいました。
老阿公、老阿婆用佢所有个力,盡命牯捉等『輝夜姬』个手,毋過還係捉毋核,一下仔㪐忒。
かぐや姫は静かに庭に出ると、いつの間にか美しい天女の羽衣を身にまとっていました。
『輝夜姬』恬靜个行到丹墀坪後,毋知哪下著好當靚仙女衫。
「お父さま、お母さま、これでお別れでございます。これからは月を見るたびに、わたくしの事を思い出してください。そしてこれを、帝にお渡しください」
「阿爸、阿姆,這下𠊎愛拜別,下二擺看到月光个時節愛想起𠊎个事情,這東西拜託你拿分天皇。」
そう言ってかぐや姫は、おじいさんとおばあさんに不老不死の薬と手紙を渡しました。
講忒後『輝夜姬』摎長生不老藥、信仔交分老阿公、老阿婆。
そしてかぐや姫は天女の羽衣で月の都のお迎えたちのところへ行くと、そのままお迎えたちと一緒にゆっくりと夜空へのぼって行き、月の光の中に消えてしまいました。
過後,『輝夜姬』用仙女衫行到月光派來个該兜人停留該位,續下來摎佢兜共伴慢慢蹶上暗晡頭个天頂,消失忒。
それから数日後、かぐや姫の手紙と不老不死の薬を受け取った帝は手紙を読んでひどく悲しみ、何日も何日も何も食べませんでした。
過後幾日,收到『輝夜姬』个長生不老藥、信仔个天皇,看過信仔以後非常傷心,幾下日食毋落飯。
やがて帝は、大臣たちを呼び寄せると、
無幾久,天皇斯喊眾大臣過來,問講:
「かぐや姫が帰って行った、天に一番近い山は何か?」
と、たずねました。
「『輝夜姬』轉去天頂了,離天頂最近个山係哪座?」
そこで大臣たちが調べると、もっとも天に近い山は駿河の国(するがのくに→静岡県)にある山だとわかりました。
該兜大臣調查後,知著,離天頂最近个山係在駿河國(今靜岡縣)。
「しかし、その山はあまりにも高く、なみの者が登れる山ではありません」
「毋過,該座山當高,毋係普通人蹶得上。」
「そうか。では、士(つわもの→侍の事)を集めて、これをその山の山頂で焼いてほしい」
「有影無?該就尋兜高手,這拿去山頂燒。」
そう言って帝は、かぐや姫からの手紙と不老不死の薬を壺に入れて大臣に渡しました。
天皇講煞就摎『輝夜姬』送來个信仔、長生不老藥放落壺肚交分大臣。
「よろしいのですか?」
「恁樣敢做得?」
たずねる大臣に、帝はこんな歌で答えました。
天皇用下背个歌仔回答問个大臣。
♪会う事も出来ず
♪無法度見面
♪こぼれる涙に、浮かんでいる様な我が身に
♪目汁濫泔个𠊎
♪不死の薬が、何になろうか
♪長生不老藥有麼个用?
かぐや姫を心から愛していた帝にとって、かぐや姫に会えずに長生きをしても、意味のない事だと歌っているのです。
佢唱个歌仔表達:對真心愛『輝夜姬』个天皇來講,摎『輝夜姬』見毋到面,食較長命乜無麼个意思。
「わかりました」
「瞭解了。」
大臣は帝から渡された壺を持つと、大勢の士(つわもの→侍)たちを連れて日本一高い山に登りました。
大臣拿等天皇交分佢兜个壺仔,摎該兜高手共下去蹶上日本最高个山。
その事からその山は『士(つわもの)が富む(とむ→たくさんいる)山』として、『富士山』と名付けられたそうです。
自該事情以後,該座山因為『有當多高手个山』,安到『富士山』。
そして大臣が富士山の山頂で焼いた不老不死の薬が煙となって、かぐや姫のいる天へと昇っていきました。
該兜大臣在山頂燒長生不老藥个煙沖到『輝夜姬』該位个天頂。
その一部の煙が富士山にあった雪に降りかかり、その雪が不死の雪(→万年雪)となって、今でも富士山の頂上に残っていると言われています。
一部份堵著富士山斯變雪,該就係萬年雪,這下還長年透天留在富士山頂。
おしまい
煞咧
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イラスト 「夢宮 愛」 運営サイト 「夢見る小さな部屋」
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イラスト 「みずしま薫」
→ おてがるバージョン かぐやひめ
おまけ
ささずんと昔話講座 第01話【かぐや姫】
読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
日本昔話を、ゆっくりの解説でずんちゃんとささらちゃんが学んでいくシリーズ。
おまけ
ささずんと昔話講座 番外編01話【美姫幻談】
読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。
知っているようで知らない日本昔話を、ゆっくりの解説でずんちゃんとささらちゃんが学んでいく動画です。
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