福娘童話集 > きょうの日本昔話 福娘童話集 きょうの日本昔話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
     10月 7日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
ミステリー記念日
きょうの誕生花
キウイ
きょうの誕生日・出来事
1941年 坂田利夫(漫才師)
  10月 7日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
ふしぎなたいこ
きょうの世界昔話
十二月の贈り物
きょうの日本民話
孝行滝(こうこうだき)
きょうのイソップ童話
水遊びをするこども
きょうの江戸小話
うまいものとまずいもの
広告
 


福娘童話集 > きょうの日本昔話 > 10月の日本昔話 > ふしぎなたいこ

10月7日の日本の昔話

ふしぎなたいこ

ふしぎなたいこ

 むかしむかし、げんごろうさんという人が、ふしぎなたいこを持っていました。
 表側をトントンたたいて、
「鼻、高くなあれ。鼻、高くなあれ」
と、言うと、鼻が高くなります。
 反対に裏側をトントンたたいて、
「鼻、低くなあれ。鼻、低くなあれ」
と、言うと、鼻が低くなります。
 げんごろうさんは人に頼まれると、トントンと、たいこをたたいて鼻を高くしたり低くしたりしてあげました。

 ある日の事、げんごろうさんは、ちょっといたずらをやってみたくなりました。
「トントントントンと、どこまでもたいこをたたいたら、おれの鼻はどこまでのびるのだろう。どれ、ためしてみよう」
 そこでたいこを持って原っぱへ行って、トントントントンとたたきました。
「鼻、高くなあれ。鼻、高くなあれ」
 すると鼻はニョキニョキとのびて、腕の長さぐらいになりました。
 トントントントン、トントントントン。
 鼻はたたくたびにのびて、木よりも高くなりました。
 トントントントン、トントントントン。
 鼻は、山より高くなりました。
 トントントントン、トントントントン。
 鼻はとうとう、白い雲に届きました。

 さて、この雲の上は天国です。
 ちょうど天国の大工たちが、天の川の橋をかけているところでした。
 そこへげんごろうさんの鼻が、下からのびてきたのです。
 でも天国の大工たちは、それが鼻だなんて知りません。
 うっかり鼻を材木と間違えて、橋のらんかんにしばりつけてしまいました。

 下の原っぱでは、げんごろうさんがビックリしています。
「あれっ! 鼻がつかえてしまったぞ。仕方ない、少しひっこめよう」
 今度はたいこの裏側をトントントントン、トントントントンと、たたきました。
「鼻、低くなあれ。鼻、低くなあれ」
 ところが鼻はギュッとしばってあるので、鼻が短くなるたびに、げんごろうさんの体は空へあがっていきました。
「うひゃあ、どうして体があがっていくんだ!」
 げんごろうさんは、大あわてです。
 それでもトントントントン、トントントントンとたたいてたたいて、げんごろうさんは雲の上の天国にやって来ました。
 天国の大工さんたちは昼ご飯を食べに行って、仕事場には誰もいませんでした。
「なんだ、おれの鼻を材木と間違えたのか。そそっかしいなあ」
 げんごろうさんは、自分でなわをほどきました。
 でも、どうやって帰ったらいいのでしょう。
「困ったなあ」
 腕組みをしながら考えていると、足もとの雲が風に吹かれて動きました。
 すると雲のすきまから、青い湖が見えました。
「うわー! いいながめだな。・・・ああっ!」
 げんごろうさんは足をふみはずしてしまい、まっさかさまに湖のまん中へ、
 ボッチャーーン!!
と、落ちました。
 げんころうさんは何とか助かりましたが、このままではいつかおぼれてしまいます。
 げんごろうさんは岸を探して、一生懸命にに泳ぎました。
 そして、ずーっと、ずーっと泳いでいたら、いつのまにか手と足がなくなって、さかなのようにひれと尻尾が生えました。
 そして体には、うろこが生えました。
 そしてついにはげんごろうさんは、『げんごろうブナ』という小さなさかなになってしまったのです。

おしまい

前のページへ戻る


きょうの日本昔話
ミニカレンダー
<<  10月  >>
  1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
福娘のサイト
366日への旅
毎日の記念日・誕生花 ・有名人の誕生日と性格判断
福娘童話集
世界と日本の童話と昔話
女の子応援サイト -さくら-
誕生日占い、お仕事紹介、おまじない、など
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
世界60秒巡り
国旗国歌や世界遺産など、世界の国々の豆知識